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闘病ショート回想(その2) ― 療養生活のリソース 慰めになったラジオとペット ―

退院後も自宅での長い療養生活を余儀なくされました。根治させる治療法はなくて、痛みに耐える日々が続いていき、昼も夜もなく、昼夜逆転の生活となっていきました。そうした生活の中、こころの慰めになったのは、NHKラジオ深夜便ペットの手乗り文鳥でした。

 

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ーもくじー

【昼も夜もない療養生活】

【ラジオとペットがこころの慰めに】

白文鳥チロの武勇伝】

【まとめ】

 

昼も夜もない療養生活

 闘病生活の初め頃は、在宅での療養生活が長く続きました。当時、私の病気は対症療法的な治療法しかなく、体の痛みをただただ耐えるしかないという状況でした。痛みに昼も夜もないように、私の生活も昼と夜の区別があいまいになっていきました。療養当初は規則正しい生活を送っていましたが、深夜に痛みで目を覚ますこともしばしばあって、夜通し考え事をしたりぼんやり過ごしたりと…。知らぬ間に、昼夜のひっくり返った生活になっていました。

それまでに、長期の入院生活やショックな病名の告知があり、その前には辛い体をなだめながら治療できる病院を捜し廻るということも…。こうした流れのせいか、私はまるでボクシングのパンチドランカーでした。ひたすらパンチを食らい続けるボクサーのような意識状態で、痛み、苦しみ、ぼんやり、痛み、苦しみ、ぼんやり、が繰り返されました。まだ20代後半の私でしたが、先の見えない現状に未来の希望というものを次第に失っていきました。

 

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ラジオとペットがこころの慰めに

 初期の療養生活は、カラダの痛み、どうにもならない閉そく感、そして思い疲れるとただぼんやり…、これを繰り返す毎日。一方、親しい人たちとの付き合いは疎遠になっていきました。自分の弱っていく姿を他者に見られたくなかったのです。

昼夜とも、ひとりで過ごす時間がほとんどでした。強い疲労感のためにベッドで横になっていることが多く、つけっ放しのテレビをただぼんやり眺めていました。

昼間の活動性が低いために、夜に眠気が訪れることもなく…。そのため、あまり聴く機会のなかったラジオを引っ張り出しました。山に囲まれた地域では、クリアに受信できるラジオ局はNHKくらいです。それで深夜0時あたりからは、NHKラジオ深夜便という番組をよく聴いていました。

部屋の灯りを消し、ラジオパーソナリティの声と時折かかる音楽に耳を澄ませます。すると、世間から取り残された自分を感じながらも、自分のためだけのプログラムのように思えて居心地が良く、例えようもない慰めを感じました。深夜4時台からは仏教やキリスト教、また思想家に関するコーナーもあり、明け方までよく聴き入ったものです。

 ラジオの他に私を癒してくれたのは、ペットの手乗り文鳥たちでした。桜文鳥のつがいのブンとピーコ。従妹の家に飛び込んできた迷子鳥で、結局私の家で飼うことになった白文鳥チロ。この三羽にはほんとにお世話になりました。闘病初期の私のこころの面倒を良くみてくれました。そのお礼に餌をあげていたという感じです。特に白文鳥のチロは賢い文鳥でした。私が体調が悪くてベッドで休んでいると、よく私の枕の横で羽を休めて一緒にウトウトしてくれました。文鳥たちを手に乗せた時に感じる体温、その温もりに命のありかを思わないではいられませんでした。

 

白文鳥チロの武勇伝

白文鳥チロの逸話を紹介します。私の母がうっかり窓を開けたままにしてしまい、わずかな隙間にもかかわらず、賢いチロはソコから外へと飛び出してしまって…。チロは兼ねてから、窓越しに見える外の世界(スズメが大好き)に興味しんしんの様子でした。私は慌てて表に出て、あたりを必死に捜し廻りました。でもチロの姿はありません。どうしようかと一旦家に戻ると、しばらくして父がよく行く近所の銀行から電話が、「白文鳥が銀行に迷い込んできています。○○さんちのチロちゃんじゃないですか」とのこと。早速行ってみると、うちのチロがいました。ちょっと羽が土で汚れている以外は、とても元気な様子にヨカッタ、ヨカッタという気持ち…。きっとどこかの屋根から、父が銀行に入って行くのを眺めていたのでしょう。チロも勇気を出して飛び込んで行ったのだと思います。でも銀行の自動ドアをどうやって通り抜けたかは、分からないままでした。以後この話は、賢いチロの武勇伝となりました。

 

まとめ

 苦しい闘病生活にあっても、何某かの光が、どこからか射してくることがあります。私の場合、NHKラジオ深夜便とペットの手乗り文鳥がそれで、掛けがえのない大切なこころの支えになってくれました。今、闘病生活を送っている方で、少し寂しい思いにある方は、ちょっとだけ周囲を見廻してください。きっと、こころに響く何かが見つかることと思います。

 

※下記に、手乗り文鳥りく君の愛らしくも楽しい動画を添えました。よろしければ、ちょっと覗いてみてください。

www.youtube.com