とうびょうライトハウス

病気と向き合う方をサポートしたいブログです

ドラマ『思うままの世界』から得られる闘病のヒント ― 自閉症の若者たちの生きる姿から ―

こんにちは、ジョニー・ジョニーです。今回は、アメリカのテレビドラマ『思うままの世界(原題 as we see it)』から闘病のヒントを探ります。

 

アパートで共同生活を送るジャックとハリソンそしてヴァイオレット。彼らは自閉症の若者です。3人の症状の表れ方はさまざま、一方、3人とも人や社会との関りに問題を抱えています。

そうした彼らを導くのがライフコーチのマンディ。マンディは昼夜つきっきりで彼らをサポートしますが、それは決して容易なことではありません。

自閉症の3人が抱える問題や課題は、他の病気を抱えた人たちのそれとも重なるところがあります。例えば人間関係であったり、生活上の問題であったりと。そうしたことから、この物語に闘病のヒントを探る意義を感じ、記事としました。

それでは。

  ー 目次 ー

 

 

f:id:dai7place:20220305192726p:plain

 

主な登場人物

【ルームメイトの3人】

ジャック (リック・グラスマン)

自閉症の青年。大手出版社でプログラミングの仕事をしています。自閉症を悟られまいとするのですが、大抵は見透かされてしまうジャック。普通になりたいという願いを常に抱えています。

ハリソン (アルバート・ルテツキ)

自閉症の青年。食欲旺盛なため極度の肥満症。そのためアパートに籠りがちで、3人の中では最も社会から遠いところに。経済的には恵まれていますが、対応に疲れた両親との間には隔たりも…。

ヴァイオレット (スー・アン・ピエン)

自閉症の女性。ファーストフード店で働いていて、仲のいい同僚もいます。男性を求める気持ちが強すぎて、突飛な行動に出てしまうことも。ジャックと同様、普通にあこがれているだけなのですが。

 

【ルームメイトのライフコーチ】

マンディ (ソシー・ベーコン)

3人のルームメイトのライフコーチ。3人が自立した生活を送れるように、外出や就労の支援に留まらず、恋愛のアプローチまでサポートします。自閉症の研究のため医学部を目指しますが、不合格に。将来の進路や恋愛など、マンディ自身も問題を抱えています。

 

他の登場人物

【マンディ関連の人物】

ジョエル (オマール・マスカティ)

マンディの恋人。法律を専攻する政治家志望の若者。マンディと一緒に暮らすことを願い、マンディの医学部入りを応援します。

 

【ヴァイオレット関連の人物】

ヴァン (クリス・パン)

ヴァイオレットの兄。妹思いの兄ですが、思うが故のすれ違いもあり、一筋縄では行きません。妹のために力を尽くしてくれるマンディには、感謝と同時に憧れの気持ちも…。

サリナ (ヴェラ・ラヴェル

ヴァンの恋人。ヴァイオレットとも仲良くなりたいという気持ちが。しかしその優しさが、ヴァンとの仲に影を落とします。

ジュリアン (ケイシー・ミルズ)

ヴァイオレットの職場のイケメン配達業者。ヴァイオレットが一目惚れするのですが…。

ダグラス (アンドリュー・M・ダフ)

自閉症の青年。書店員。演劇クラブのメンバーで、ヴァイオレットに片思い中。

 

【ジャック関連の人物】

ルー (ジョー・マンテーニャ

ジャックの父。がんを発症し、自分亡きあとのジャックの行く末を心配します。

オースティン (ロビー・クレーター)

職場の上司。ジャックの仕事は評価するものの、空気が読めず、対人リテラシーの低さに苦慮しています。

エワトミ (デレ・オグンディラン)

ジャックの父が通う病院の看護師。ナイジェリア出身。父親の病気にショックを隠せないジャックに同情。初めは優しく見守るだけでしたが、やがてジャックに好意を抱くように。

 

【ハリソン関連の人物】

クリス (スティーヴン・カルプ)

ハリソンの父親。家族みんなの幸せを願っています。

スー (ポーラ・マーシャル)

ハリソンの母親。息子ハリソンを愛するものの、夫との生活も大切にしたいという思いがあります。信頼するマンディに息子を任せたいと。

ニコール (アリッサ・イレルス)

ハリソンの妹。ハリソンと良い関係。

AJ (アダン・ジェームズ・カリーリョ)

ハリソンと同じアパートに住む少年。ひょんなことから10歳も年上のハリソンと仲良しに。

テレサ (アンジェラ・フォルネーロ)

AJの母親。ハリソンと親しくなるAJを心配します。

 

 

www.youtube.com

 

 

『思うままの世界』 あらすじ

2022年公開/シーズン1(エピソード1~8)/16+/アメリ

配信:アマゾン・オリジナル

 

ジャック、ハリソン、ヴァイオレットの3人は自閉症の若者。アパートで共同生活を営んでいます。彼らをサポートするのがライフコーチのマンディ。自閉症の研究をしたいと医学部を目指すマンディは、彼らと同じ20代の女性です。

 

マンディの役割は、彼らの自立を目指すこと。個々に目標や希望を設定し、彼らと生活を共にしながら実現に向けてサポートします。時には恋愛のアプローチまで。マンディはこの仕事に情熱を注ぎます。

 

一方、医学部は不合格という結果となり、自分の将来には迷いも。恋人の計らいで医学部実習生への道も開かれますが、この仕事にかける思いの方が膨らんでいきます。

 

ジャックは、大手出版社でソフトウエア開発に従事。仕事に関しては高い能力を発揮しますが、上司や同僚へのストレートすぎる発言、周囲に気配りのない態度から人間関係につまずきます。マンディとのミーティングで、仕事の継続と友達作りを目標に掲げたジャックでしたが…。

 

ジャックの父親ルーがガンを発症。今まで面倒を見てもらう側だったジャックが、今度は面倒を見る側へと。「父さんは僕が守るよ」と言ったものの、抗がん剤の副作用に苦しむ父親の姿に戸惑うジャック。

 

そんなストレスフルな日々に思わぬ出会いが。父親の通う病院の看護師エワトミです。ジャックは当初、病状を尋ねるだけの関係でしたが、エワトミはジャックのよき理解者に……そして双方に愛情が芽生えます。

 

ヴァイオレットはファーストフード店のスタッフ。ボーイフレンドを激しく求めるヴァイオレットは、好みの男性が来店すると、ところかまわず愛を告白します。良くも悪くも感情を抑えられません。その都度、兄のヴァンが後始末へと。

 

同じ自閉症のダグラスはヴァイオレットに片思い。それをマンディが後押ししますが、ヴァイオレットは見向きもしません。

 

周りの心配をよそに、とうとうヴァイオレットは出入り業者のイケメンといい仲に。ですが、結局は遊ばれてしまい…。激しく落ち込むヴァイオレットをヴァンとマンディが慰めます。

 

ヴァンはヴァイオレットを守ろうと、入所施設に入れようとしますが、ヴァイオレットは断固拒否。「なんでじゃまものにするの!」と。ヴァイオレットは、普通であること、自由であることを強く求めます。ヴァンもヴァイオレットの願いを受けとめます。

 

ハリソンは重度の肥満男性。マンディの指導で減量を試みるも、その食欲は底なしです。また、強い感覚過敏のために外出を苦手とするハリソン。それを克服しようとマンディと外出訓練を重ねますが、騒音に対する恐怖のため簡単にはいきません。

 

ふとしたきっかけから、ハリソンは10歳年下の少年AJと仲良しに。すっかり意気投合します。しかし、AJのママは猛反対。そこにマンディが入ります。AJのママに頼み込み、なんとか二人の友情をつなぎ留めました。

 

ハリソンはマンディの「大好きよ!」という言葉を、自分への恋のアピールと勘違い。その後、友達として好きなのだと聴いたハリソン。一転、マンディを拒絶するように。

 

ハリソンの両親が、妹の大学進学を契機に引っ越すことに。両親は、ロスに残すハリソンはマンディに任せたいと。そのことを知ってハリソンは怒り狂います。拠り所を失くしたハリソン。孤独感でいっぱいです。でも、マンディがそんなハリソンに寄り添います。

 

 

 

『思うままの世界』から得られる闘病のヒント

闘病のヒント ー 家族 ー

このドラマを見終わって最初に思ったのは、当事者に対する家族の関りの大切さです。家族が愛情込めて、話をよく聴いて、励ますこと本人に寄り添いながら希望を一緒に模索していくことが大事なのだと。

 

スキルという面から考えると、丁寧に当事者の思いを傾聴することが大切。家族なら自然にやれてそうですが、距離があまりに近すぎて、簡単そうで簡単にはできないことかも知れません。でも、大事なこと。

 

ドラマの中で、ヴァンは妹のヴァイオレットにしっかり関わります。ですが、妹のことを心配するあまり、妹の気持ちよりも、当初、自分の考えを優先させてしまいます。あれしろ、これしろと。しかし、エピソードを重ねる内、ヴァンは妹のほんとの想いに気づけるように。衝突しながらも、妹との関りは常に持ち続けました。妹の話を聴き続けた末のことです。

 

闘病のヒント ー 友達・恋人 ー

重い病気を患ったとたんに、人との関りが途絶えてしまうことがあります。自分の弱った姿を人に見られたくないという思いから……私がそうでした。でも、それまで培ってきた人との関りは、発病後も繋いでいくことが大事です。

 

また、医師を初めとする援助者との新しい出会いも、ひとつひとつ大切にしたいですね。人との関りをできるだけ絶やさないこと、大切にすることは、何より闘病時の精神生活に潤いをもたらします。

 

ドラマの中で、ジャックは、父を失うかも知れないという不安な時に看護師のエワトミと出会います。初めは看護師として対応するエワトミでした。しかし何度か顔を合わせる内、ジャックの素直さ、優しさに惹かれるように……やがてジャックの良き理解者となり、さらに互いに惹かれ合う関係へと。

 

病気を抱えながらも、家族以外に気持ちが通じ合える、理解してもらえる人がいることの価値を、ジャックとエワトミの対話シーンから感じました。

 

闘病のヒント ー ピア ー

ピアとは、同じ病気や障害を持つ者どうしということ。同じ問題や課題を抱える者として、互いの思いや気持ちを理解し合え、互いに助け合える力を持つということ。

 

ジャック、ハリソン、ヴァイオレットの3人は、旧知の間柄とはいえ、共同生活開始当初から、あまり良い仲とは言えませんでした。もともとコミュニケーションをとるのが苦手な者同士です。3人はののしり合ったり、からかい合ったり。

 

しかし、共同生活をおくる内に3人は、共通する壁にぶつかり、心を痛め、傷つく姿を見せあうことになります。そうした経過を辿ることで、お互いの理解が進み、慰めの言葉や相手を庇う言葉が、少しずつ3人の間で交わされるように。

 

エピソード8では、マンディや家族の力を借りながら、辛い出来事を乗り越えた3人が、笑顔でピンポンを楽しむ場面で締めくくられます。とても印象的で象徴的なエンディングシーンでした。

 

闘病のヒント ー 導き手 ー

ドラマの中のコーチ役マンディのように、一緒に希望を探してくれ、ゴールに向かう行動をサポートしてくれる。また、辛い時には励ましてくれ、気持ちを丁寧に聴いてくれる人が身近にいてくれたら、病気と向き合う人にとってどんなに心強いでしょう。

 

重い病名を告げられる時、検査結果が悪い方に振れてしまった時、胸にこもった感情を吐き出させてくれる人が欲しいものです。

 

ライフコーチのマンディは、対人スキルの枠を超えて、本音で彼らと向き合います。それだけでなく、自分の弱いところも相手に隠しません。そうした姿勢だからこそ、支援を受ける者やその家族から、厚い信頼を得られるのでしょう。

 

アドラー心理学でよく語られる、不完全である勇気失敗する勇気過ちを認める勇気。そうした勇気を3人が持てるように、マンディは彼らを援助していると感じました。そうした勇気をもって歩き始めたその先で、ジャクソン、ハリソン、ヴァイオレットは何を見つけるのでしょう。シーズン2が楽しみです!

 

f:id:dai7place:20220308155811p:plain

まとめ

いかがでしたでしょう、『思うままの世界』。涙あり、笑いあり、ドタバタあり、ジ~ンと心にしみいる場面もあって、すなおに楽しめるドラマでした。

自閉症の方が心に持っている課題は、健常者も大なり小なり抱えている課題でもあります。ただそれを日常、抑え込んでいるに過ぎないような…。だからこそ、彼らのストレートすぎる言葉や感情の表れ方、常識や儀礼を超えた振る舞いが、見るものの心にいろいろな意味を持って響いてきます。

 

最後までお読みくださり、

ありがとうございました。

 

dai7place.com

dai7place.com

dai7place.com